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うつわのかけら

「しかしそれだけではない。」

それだけじゃなかった。

サブタイトル(加藤周一 幽霊と語る。)
ドキュメンタリーです。

ちょっとおどろおどろしい。
幽霊?おばけ?イタコ?

加藤周一さんをあまり知りません。
超ご近所の映画館。「ポレポレ東中野」
池沢夏樹さんのトークショーありに吸い寄せられて入りました。

いぁ~すごいんですよこの映画の視点。

前のめりになって視てしまいました。、
加藤周一さんはお亡くなりになっているので
実際には(幽霊)ゴメンナサイ
(言葉の比喩じゃなくって、実際に加藤さんは幽霊と話してるの。)
思想というか、哲学というか
そういう頭の中の考え方(プロセスも)のドキュメンタリー。
これは面白いですよ。
最初は戦争が始まったという瞬間に自分は能の舞台を観ていて
外のざわざわとの強烈なギャップ。
野村万蔵という人の(その時の)演技は凄かった。
にはじまって、
(平和憲法をかえたらよくないんだよ)というのを
言わない訳にはいかない理由はすごく判りやすかった。
その考え方の細やかさ。とても丁寧なんです。エレガント。
説明するイメージの映像はすごく控えめで
90分ほとんど加藤先生が一人で話している。
(相手は私たちだと思うんだけど)
話って、どこにいくかわからない
それがすごいドキドキ感なんですよ。
スリリング。
こっちに全部ゆだねられちゃっている。
いろんな知識人にとってのヨーダ的な方だったっていうことだけじゃなくって
(加藤先生の明晰さや、文化や世の中への見識がすごいとか)
なんだろう。不思議な感覚。
言っていた。「幽霊のいうことは変わらない。」


この映画で加藤周一さんを知れてよかった!
by dudu05k | 2010-05-04 11:59